ハワイで格安SIMを使う

海外でなるべくお金をかけずにスマホでネット検索やメールチェック、地図アプリで位置情報を確認したり、という方法について自分がやったことの備忘録を書こうと思います。
この目的のために例えばWiFiルーターを成田や羽田空港でレンタルする方法もありますが、回線速度は明らかに遅いです。また、位置情報に関しては私も成田空港でレンタルしたWiFiルーターにアクセスして、ロンドン市内でiPhoneのGoogle Mapを利用したことがあるのですが、日本国内でのスマホ利用時ほどには正確な位置が分からず、道に迷ってしまったことが何度かあります。そのたびに現地の人が親切に教えてくれて助かったのですが、やはりWiFiルーターではなく自分のスマホで電波をつかむほうが位置情報は正確に表示されるようです。

以上を踏まえて、今年(2017年)ハワイに旅行したときに、手持ちのiPhone6(SIMフリー)で格安SIMを利用する機会があったので、そのときのことを書きとめておきます。ハワイを含む米国に行かれるときの参考になればと思います。手順を箇条書きにするとこんな感じです。
  1. SIMを選ぶ(安くスマホを利用するためMVNOの選定)
  2. 日本国内でSIMカードを入手する
  3. 出発前に電話番号を発行してもらう
  4. APNファイルを用意(例外はありますがiPhoneはAPNを自前で用意します)
  5. 国際線機内でAPNをインストール
  6. 現地で利用開始
1.アメリカ(ハワイ)で使えるSIMはどんな種類があるのでしょう。ZIP SIM(以前はReadySIM)がわりと有名です。日本でZIP SIMカードは購入できますので、自分のスマホに合うサイズにSIMカードを事前に用意しておくことが可能です。ZIP SIMは現地でSIMカードを装着後に電源を入れるとSMSで電話番号が通知されるシステムですが、私は事前に電話番号をもらいたかったので、ZIP SIMは選びませんでした。
あれこれ調べた結果、H2O by KDDI が良さそうとなりました。KDDIの名前がついていることで分かるように、日本の資本が入っているため日本語サポートが受けられるのが嬉しいポイントです。なおH2OはAT&TのMVNOですのでカバーエリアは広く、通信速度も通常の使用には問題ありません。私はハワイでも人口密度が低いハワイ島(ビッグアイランド)で主に利用したのですが、電波が拾えなくて困るようなことはまったくありませんでした(マウナケアなどは除きます。山の中では日本でも同じことと思います)。

2.SIMカードはハワイ到着前に入手しました。アマゾン(日本)で売っていたものを注文しました。同じH2Oでも私が購入したのは30ドル分のプリペイドタイプで2GBのLTE通信に加えて、アメリカ国内通話無制限、日本国内固定電話宛通話無制限でアマゾンでの価格が2,990円とお得なものでした。利用にあたっては、アマゾンに支払った以外の料金は発生しません(プリペイド)。ただし、長期滞在で次月(30日後)も利用する場合は月額$30を支払う必要があります。なお、日本国内の携帯宛通話は約40分までに制限されています。このタイプのSIMは常時販売ではなく、予約販売(何月何日から販売と書かれています)なので、旅行の予定が決まったら、日程に合わせて早目に注文しておく必要があります。
私のiPhone6はアップルストアで購入したSIMフリー版ですので、基本的にはどのキャリアでも使えます。もし、日本のキャリアから入手したスマホだと渡航前にSIMロックを解除しておいてもらいましょう。
こういうSIMカードが送られてきます。iPhoneはmicroSIMのサイズに事前に切り取っておきましょう
(失くさないように気をつけて)。

3.H2O by KDDIは渡航前にホームページから開通手続きをすることで、開通希望日に電話番号を発行してもらえます。利用開始希望日と訪問先(この場合はハワイ州)を入力しておくと、ハワイの市外局番から始まる携帯電話番号が利用希望日(開通日)に通知されます。私の場合は、日本出発の1週間前を利用開始希望日にしました。この日から起算して1ヶ月間しか利用できませんが、私の旅行予定は1週間でしたので十分に余裕がありました。よほど長期のアメリカ旅行でなければ、この方法が事前に電話番号をもらえるので安心と思います。
ちなみにアメリカでは携帯電話番号と固定電話番号は日本のような区別がありません。ある州や区域に割り振られる固定電話番号の市外局番(ハワイ州は808)が携帯電話番号の先頭部分にも振り当てられるようになっています。私の場合は開通日に「あなたの電話番号は808-294-66XXですよ」というメールが送付されてきました。

4.Androidと違ってiPhoneではAPNは自分でダウンロードして設定する必要があります。APNは通常、WiFi経由でダウンロードしますが、ホノルル空港を含むアメリカの空港では無料WiFi接続サービスは期待しないほうが良いです。となるとiPhone持ちとしては事前に(日本国内で)APNを用意しておいて、例えばハワイへ移動中の機内でAPNをインストールするのが便利です。以前はどうしてもその方法が分からなかったのですが、先人たちが解決手段を見つけてくれていました。
方法は、事前にAPNファイルを添付したメールを送信しておき、iPhone標準のメールソフトで受信しておけば、その後はオフライン状態であっても該当のメールを開けば添付ファイルからAPNをインストールできるというものです。

まずは「Filer Lite」という無料アプリが必要になりますので、Appストアからダウンロードします。iPhoneはファイル保存場所が明示されないのが便利だったり逆に不自由だったりしますが、このアプリによりダウンロードしたファイル(APN)を指定してメールに添付できるようになります。つづいてAPNのダウンロードURL、H2Oの場合は http://www.boltconfig.com をFiler LiteのWebタブの入力Boxにコピペすると、Browser Error(ブラウズできない。ダウンロードするか?というアラート)が表示されますので、ダウンロードをタップするとAPNファイルが保存されます。Filer Lite下方中央のFilesメニューをタップすると、いまダウンロードされた h2o.mobileconfigというファイルが表示されるので、このファイルを長押しするとファイルをシェアするためのメニュー(英文です)が現れるのでMailを選択して送信します。私の場合は自分のGmailアドレスに送信しました。
次にiPhone標準のメールアプリを開くと、受信ボックスに先程のメールが表示され、メールを開くとAPNファイルが添付されていることが確認できます。この添付ファイルをタップするとインストールしますか?という画面になることまで確認しておきます。あとは飛行機に乗るまでこのメールを削除しなければ大丈夫です。

私は以上の操作を国際線搭乗の1週間前に済ませておきました。私はふだんMINEO Dプラン契約でiPhoneを利用しているので、日本帰国時のひと手間(MINEOのAPNを復活させる)を省くためにMINEOのAPN(mineo-d1.mobileconfig)もダウンロードし、H2OのAPNと同じようにメール添付で送信しておきました。

5.成田空港で搭乗手続き、出国審査を終えて飛行機に搭乗後は、スマホを機内モードに設定します。機内モードの状態で今まで利用していたMINEOのAPNは削除します。iPhoneでは複数のAPNは基本的には併用できません(※参照)ので、私の場合もMINEOのAPNは削除しました。その後、オフラインのままiPhoneの標準メールアプリを起動し、事前に送信しておいた添付ファイル(H2OのAPN)つきのメールを開きます。そして4.で書いたように添付ファイルをタップすると「インストールしますか?」というメッセージが現れるので「はい」をタップするとH2OのAPN(h2o.mobileconfig)がインストールされます。次にiPhoneの電源を切り、今まで利用していたMINEOのSIMカードをH2Oのものに入れ替えます。これでハワイ到着前の準備は完了です。

※iPhoneでの複数のAPN設定については一応、不可となっているのですが、以前シンガポールで現地のSIM(SingTel)を利用したときは、MINEO APNを残したまま、電源ONでSingTelのAPNも自動設定となり自分では何もせずにiPhoneでネット利用可能になりました。そういう場合もあるので、併用が絶対不可というわけでもないようです。どなたか詳しい方に教えて頂けたらと思います。

6.ハワイに到着し早速iPhoneの機内モードを解除すると即座にMVNO会社であるH2Oのマークと4Gの文字が表示され、同時にSMSを受信しました。これでネットに接続し、電話も使える状態になったわけです。通信速度もまずまずですし、ローミングでいくらかかるか?とハラハラする必要もありません。とても快適でした。


なお、通信データ残量の確認はダイヤル(*777*1#)すると、すぐに残量はこれこれだよ、と表示されます(残り2.84GBありますね)。

海外の空港到着時にSIMカードを売っているお店を探してカードを購入し、WiFiを探してつなぎセットアップして(店員さんがやってくれればラッキーですが)...ということに時間を使うのはもったいないし、疲れが倍増します。いままで書いてきたこのやり方が一番オススメです。

7.番外編)日本に帰国すればH2Oは使えませんし、いま契約しているMINEOのAPNを復活させる必要があります。このやり方はもうお分かりと思います。私が事前にMINEOのAPNをメールに添付していた理由もここにあります。手順は5.と逆になります。ハワイで帰国の飛行機に搭乗したら機内モードのままで、お世話になったH2OのAPNを削除し、標準メールソフトからMINEO DプランのAPNをインストールすれば良いわけです。もちろんSIMカードはH2OのものをMINEOのものに入れ替えておきます。帰国後、機内モードを解除すれば、すぐに今までどおりiPhoneが使えます。

もうひとつ付け加えます。アメリカ国内の電話事情ですが、3.で書いたように固定電話と携帯電話の区別がなく市外局番を含めても電話番号は10桁しかありません。そのためと思いますが電話番号の割り当ては逼迫気味のようで、誰かが使わなくなった番号をすぐに他の誰かに割り当てるということが多いようです。そのため間違い電話が多く、知らない番号から電話がかかってくることは日常茶飯事です。そのときは電話に出ないか、出ても日本語を喋っておけば相手が勝手に切ってくれると思います。

私の体験・備忘録が少しでもお役に立てたらと思います。それでは、楽しい旅をお楽しみください。

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