ジオタグを写真に登録する:その1)MotionX-GPSで位置情報を取得する

旅行中の写真撮影で(私にとってかもしれませんが)必要なことを書いておきます。

カメラにGPS機能は要らないという方も多いですが、私が長年、愛用していたカメラにはGPS機能があり、よく利用していました。しかし、ある日レンズをズームさせようとするとガタ、ガタと音がしたと思ったら、その後、ひっかかりながらレンズが動き、一度、電源オフにすると動いたりして、動作が不安定になってしまいました。5年ほど使っていたのですが「もう寿命だね!」ということで買い替えになりました。そして我が家にやってきたのはキャノンG7Xです。コンデジですが液晶ファインダーが上下にチルトするので、自分撮りがやりやすい+ローアングル撮影できる+人混みの後方から腕だけ伸ばして撮影する、など便利なので気に入っています。センサーも1型で大きい方なので、できあがった写真もなかなか綺麗です。綺麗な写真にこだわるのなら一眼レフを買えば良いのですが、旅行には重いカメラは困りものです。何とかポケットに収まるサイズということで、この機種を選びました。ただGPS対応ではないため、ジオタグ情報は別途取得する必要があります。

すべての写真にジオタグ情報が必要とは思ってないのですが、きれいな景色の写真を撮って、後日、その写真を見るとき、撮影場所が分かっていれば更に感慨が増すと思います。そのためには、旅程の途中で適宜、GPSログを記録して、あとから写真データに位置情報を付加できれば良いと考えました。
GPSログの記録には専用のロガーを使う方も多いと思いますが、小さいカメラにこだわる私としてはまたひとつ荷物が増えるのは避けたいので、新たにロガーを購入する選択はありませんでした。ロガーは軽いし、荷物にはならないよ、という意見もあるでしょうが、ポケットに入れるにせよ、カバンにぶら下げるにせよ、これ以上の道具は持ちたくなかったのです。さらには、GPSロガーのバッテリーは大丈夫か?電源はONにしたか?などと考えるのも面倒でした。
そこであれこれ探していたら、GPSロガーの機能をスマホで実現するアプリの存在を知りました。スマホであればいつも持ち歩いてますし、とくに旅先ではGoogleマップにはしょっちゅうお世話になります。言い換えればGPSによる位置情報は常に取得できているわけですので、この機能を利用しない手はないと思いました。私はiPhone6を使っていますが、定評のあるアプリでMotionX-GPS(有料:2016年購入時240円)というものを見つけました。このアプリでGPS位置情報を記録し、後ほど写真のExifファイルに書き込むことにしました。
そして取得したGPSログを写真のExifファイルに書き込むソフトとしてはMacOS対応のmyTracksというソフトを利用することにしました。このmyTracksという名前は以前、googleで提供されていたMy Tracksというサービスと名前が紛らわしいのでネットで検索するときは混同しないように注意が必要です。myTracksはドイツ製のアプリケーションで英語表記ですが、実際の使用にはあまり問題にはならないと思います。有料(1,800円)ですがMotionX-GPSと合わせても2,040円ですので、GPSロガーを購入すると思えば安い買い物です。

以上のことを理解したうえでiPhoneでGPSログを記録しつつG7Xで写真を撮り、自宅に戻ってからGPS位置情報をExifに書き込む手順は以下のようになります。

1.iPhoneにMotionX-GPSアプリをインストールする
2.MotionX-GPSとカメラG7Xの時刻が一致していることを確認する
3.写真を撮りつつ移動し、休憩時など移動がないときはMotionX-GPSはオフにする
4.MotionX-GPSのGPSログファイルをメールで送信する
5.メール受信したGPSログをmyTracksにインポートする
6.時刻情報を参照しながら位置情報をExifファイルに書き込む(myTracksがほぼ自動でやってくれます)

とくに手順3でアプリを時々オフにすれば、旅先でiPhoneのバッテリーが減ってしまって焦ることは殆どありません。もちろん予備のモバイルバッテリーを持参しておくほうが安心とは思います。このあと、ひとつひとつの手順について説明します。

1.iPhoneアプリMotionX-GPSのインストール、設定、起動
AppStoreで検索、ダウンロード、インストールします。最初の起動画面右下方のMenuをタップし、次画面の右下の歯車マーク(Setup)をタップします。Setup画面が表示されるので、いちばん上の歯車マーク(General)をタップし、好みですがSoundsはオフとし、左上のDoneをタップします。途中で音が出るのは煩わしいですからね。Displayメニューでは4段目のUnitsでkm(キロメートル)表示を選択しましょう。Shareメニューでご自分のメルアドを入力しておきます。その下のTrack RecorderはAutomaticで良いと思います。Map画面左上のMap OptionsをタップしMap Typesで私はGoogle Roadを選択しました。このアプリは機内モードオン、WiFiオフ等のネットワークがない状態でも作動しますが、この条件ではマップは表示されません。
時差を考慮せねばならない海外ではiPhoneでMotionX-GPS起動前に、時間帯を設定しておきます。そうしないと日本時間と現地時間のどちらで記録したのか分からなくなります。iPhoneでは設定アイコン→一般→日付と時刻→自動設定オフ→時間帯→都市名検索で設定しましょう。自動設定オフとしたのは、現地に到着してiPhoneの電源を入れても、すぐには現地時間の設定にならない場合があることに備えてです。カメラももちろん時間帯を設定しておいてください。
実際に使用するときは、MotionX-GPSを起動するとアプリ画面右上の地球マークが赤色で回転を始めます。これはGPS信号が受信できてないことを警告しているもので、室内で起動した時は赤が普通ですが、気にしないで次のステップに進んで大丈夫です。起動画面右下のMenuをタップすると次画面となり、右上のRecord Trackをタップします。記録時間表示(00:00.0)の下にStartボタンがあるのでタップすると、次画面で表示される「Start without GPS signal」のボタンをタップすると記録が始まります。室外で空が見通せる場所(衛星電波が受信できる場所)に出ると地球マークは青色に変わり、GPS信号を受信できていることがわかります。

2.iPhoneの時刻とカメラ(G7X)の時刻とを一致させる
時刻の一致は1/100秒の精度まで要求されません。基本的にiPhoneはネットに接続する毎に時計合わせをしているはずなので、iPhoneの時刻は正しいものと考えて良いと思います。問題はカメラのほうです。カメラはインターネットに常時接続するわけでもないですし、電波で時刻補正する機能もありませんから、いささか原始的ですが手動で時刻合わせするしかありません。旅行に出発する前日にでもiPhoneの時計と合っているかを確認しておけば良いでしょう。時刻合わせの方法はカメラ毎に違うので、ここでは触れないことにします。

3.MotionX-GPSはときどきオフにする
旅の日程の丸一日を記録したいという方もいらっしゃるでしょうけど、私はジオタグ情報は要所要所で記録できれば良いと考えています。1日の行程が長距離に及ぶ場合などがとくにそうで、記録されたジオタグ情報を見るときに1日分ですと大きな地図で見ていくことになるので、記録は可能ならこまめに切っておく(長くても1つの記録は1~2時間分くらいにとどめる)ほうが、あとでデータを参照するときに楽だと思います。
アプリをときどきオフにするもうひとつの理由は、バッテリーの節約です。このアプリを1日起動しておくことは不可能ではありませんが、1日の後半(夕方頃)ではバッテリー残量が減ってしまい、かなり焦る事態になる可能性もあります。もちろん万が一に備えてバックアップ用のモバイルバッテリーを持参しておくことは言うまでもありませんが、精神衛生上も移動を止めたときはアプリはオフで良いと思います。

4.GPSログファイルを送信する
MotionX-GPS記録中の画面で中央のPauseボタンをタップすると表示される次画面右側のSaveボタンをタップすると、Track Savedの表示に変わり今まで記録したTrackが連番で表示されます。Would you like to share your track?(この記録trackをシェアしますか?)と表示されるので、Share this trackをタップします。次の画面で下方へスクロールすると登録したメルアドが表示されていることを確認してください。最上段のShareをタップすると事前に登録したメルアドにジオタグ情報が送信されます。このとき2種類のデータが送信され、ひとつはgpxファイルで、あとでmyTracksアプリで利用します。もうひとつはkmzファイルで、こちらはGoogle Earthで利用します。

あとは自分のメルアドに送信されたジオタグ情報を写真に書き込む作業が待っています。基本的には撮影時刻と一致するジオタグ情報を写真のExifファイルに書き込むことになります。この手順は次のページで説明します。

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